ピアニスト 川口成彦
音をフレーミングできるのか?
中野ヘーゼンドルファー東京にて。
コンサート当日、リハ後の合間30分(実質15分)で撮影して欲しいとのことで、取材写真というか、フォトセッションみたいな。とにかく便利な出張撮影のカメラマンの仕事。
アーティスト写真?宣材撮影?広告撮影?とか考えている時間はない(笑)
限られた短い時間なので、クリップオンストロボ一台のみ。
照明環境に注文もつけられない。
アーティストさんの情報をググって予習していても、実際、会った感覚が一番大事なので、その場の雰囲気を掬い撮る感じ。
2曲演奏してもらった。
曲名を聞いても、カメラマンはどうせわからないので(笑)つーか、そもそも音ってフレーミングできるのか?一旦頭の中を真っ白にして聞こえてくる音のニュアンスでシャッターをきる。クラシックピアノや古典音楽に詳しくないし、気の利いた能書きは言えない。
彼のピアノはとっても繊細で、軽やかな感じだ。
季節は夏、女の子。小説でいったらフランソワーズ・サガン的な。田園風景。映画でいったら『ミツバチのささやき』的な。そして、綺麗な毒がある(余計、わかりずらいかっ笑)
このピアニストはとっても女性的。子宮があるの?っていうくらい。そういう意味では母性かな。
いずれにしても、クライアントから頂いた資料からとは、違う印象を受けた。撮影前に、オラオラの歌舞伎町ホストみたいな宣材写真が送られてきたからね(笑)
音楽を写真で伝えるのは難儀だ。
モーツァルトはこう撮るみたいな型にはめるもんではない。ロックだろうとジャズだろうと音というエネルギー発しているのはひとだ。彼のアイデンティティーをフレーミングするしかない。もっと撮影時間があればとか、ライディングがどうとか言い訳をあげてたらキリがない。
今回は、これでいい。また機会があれば撮りたいと思う。ほんと誠実で、綺麗な青年だから。
川口成彦さんは、ヨーロッパを拠点に活躍されている方らしいけど、来年日本でコンサートを予定してるとのこと。
興味がある方は、是非会場に足を運んでみてください。
いいオトコですよ!