GARIMPO|広告撮影

キャバクラの魔法

東京ディズニーリゾートで有名な株式会社オリエンタルランドは、ディズニーランドやディズニーシーをテーマパークと捉えるのではなく、「巨大なショーのステージである」という運営理念から来場者の事を「ゲスト」と呼び、そこで働く従業員の事を「キャスト」と呼ぶ。

お客至上主義のマニュアルは細部まで徹底されており、キャストのホスピタリティは書籍になる程のクオリティーだと評判である。また、清掃中のクリーン担当のキャストに「何をしているんですか?」と聞けば微笑みながら「星のかけらを集めているんです」と言った気の利いた返答をしてくれるという逸話は、SNS上で拡散された。

「キャバクラ」と呼ばれている接待サービス付きの飲食店のホステスも同じくキャスト、と呼ばれる事が多い。
 


 
今回、出張撮影に伺った東京都 錦糸町のキャバクラ「CLUB GARIMPO」の「嬢」と呼ばれるお姉さん達はプロだった。

所謂、宣材写真というのではなく看板制作のための広告撮影となるとタレントやモデルのように写真撮影に慣れている訳ではない女の子達にとって難しいことに違いない。とはいえ、撮影中の彼女たちは各々のアピールポイントと共に楽しげな笑みと誘うような眼差しを惜しみなく披露してくれた。

普通の女の子が「嬢」というコスチュームを着ると一流のキャストになるのだから、キャバクラもまたショーのステージであり、やはりゲスト至上主義なんだろう。

カメラマンの仕事はゲストサービス業ではないし、そもそも写真撮影は被写体に100%依存するものだからそこに魔法はない。しかし、どの様なフィールドの中でもプロの姿勢は見つけることが出来る。キャバ嬢のそれは、ぎらりと光るダイヤモンドのようでもあるし、人が起こせる小さな魔法のように思えた。
 

photographer 高野勝洋